ひとつのテーマについてみんなで考える対話の時間「哲学カフェ」。
第6回目である今回のテーマは「おとなになるとは?」でした。
こどもとおとなが一緒になって「おとな」を紐解く1時間になりました。
イベントでは、まずファシリテーターである山口大学・小川仁志 教授が、
「おとなとはなにか」という哲学的な質問を投げかけました。
会場からは、
▽「責任を持って社会に参画する存在だ」とか、
▽「法律で決められているように18歳以上の成人だ」、
▽「共同体の中で、利他的行動と利己的行動をバランスよく取れる存在だ」など、
次々に意見があがりました。
また「おとなになるのに必要なもの」については、
思いやりや人生経験、恋愛などのことばがあがる中、
小川先生は「自律する存在だ」と意見を述べていました。
最後に先生は、出された意見を踏まえて、
「おとな」と読ませる新しい熟語を作り出そうと呼びかけました。
「多人」という案があがると、
▽「多くの人を思いやることができる存在がおとなだから」とか、
▽「おとなになるには、多くの経験が必要だから」などの理由があげられていました。
さらに小川先生が「負う人の名」として「負人名・おとな」を提案すると、
会場から「負けた人の名」と理解することもできるという違った見方が投げかけられました。
これに対して、先生は「納得できる意見だ」とした上で、
「その新しい読み方を中学生から提案されたと今後紹介していきたい」と話していました。
第7回の開催への皆様の参加、お待ちしています。
「おとなになるとは」と投げかける小川先生
「負人名」と書いて「おとな」と提案する先生
報告者:小能見聖弥(このみ・まさや)
山口大学医学部医学科3年生。福岡県筑前町出身。
総合診療医を目指しながら、医療とまちづくりの可能性を模索中