哲学者の小川仁志先生をお招きして、子どもと大人でひとつのテーマで話し合う哲学カフェ。
今回のテーマは、「男の子と女の子は、ちがう?」 ー けっして簡単ではない話題ですが、小川先生はつぎのように話を始めました。
「いろいろな意見があると思う。だから、自分の意見を考え直すために、ひとの意見を聞いてみよう。”もしかしたら、その考えもあってるかも” と思って聞いてみよう。」
そして子どもも大人もみんなで考えるために、小川先生はつぎのように話しました。
「みんながわかるように言ってみよう。難しいことを話すときは説明しよう。」
耳を傾けること、わかりやすく伝えること。どちらも意見の違う(かもしれない)ひとたちと話し合うときにとても大切なことですね。
偶然にも(?)哲学カフェの当日はひな祭りの3月3日。小川先生はたずねます。
「ひな祭りは女の子のお祭りと思う人は?」
会場の多くの人たちが手をあげました。
「じゃあ女の子のお祭りじゃないよ、みんなのお祭りだって思う人は?」
子どもたちふたりが手をあげました。
それぞれに理由をたずねる小川先生。子どもも大人も、自分の考えとその理由をわかりやすく伝えます。
「お人形は女の子が好きだから」 「でもフィギュアを集めてる男の子もいる」
「端午の節句は男の子もお祭り、桃の節句は女の子のお祭り」
「七五三も5歳は男の子、3歳は女の子と分けている」
では、男の子と女の子は違うのでしょうか?
「生まれたとき、男の子は乗り物に興味を持つ。好きなことが違う - でも、音楽は男の子も女の子も同じように聴いてるかも」
発言しながら、自問自答し、考えが深まる様子が会場にも伝わってきます。
「同じだと思う」に手をあげた子ども。「どうしてそう思ったの?」 - 「手は同じ」。
ここで「違い」の話から「違わない」の話に。もちろん、そう簡単に話は進みません。小川先生の具体的な問いかけに、会場の反応も分かれます。
「理屈はわかるけれど」 「違いがあったとしても、人として相手を尊重することは常識」 「あまりグループ分けせずに”人間”としてみることができたらいいのでは?」
1時間という短い時間で、活発な意見交換がありました。
「みんなもやもやしてると思います。そのもやもやのなかで、学んでください。」(小川先生)
子どもも大人もいっしょになって考える「哲学カフェ」。次回はどんなテーマになるのでしょうか?
キッズラップでは2ヶ月に1度の頻度で哲学カフェを開催しています。みなさんもぜひキッズラップでいっしょに哲学しませんか?